DQ9クリア。3や5と並ぶ名作だった

ネタバレはなしの方向で。

クリアした時点で時間は50時間。クエストはほとんどやってないけど、ダーマ神殿についてからシナリオが進まなくなる転職システムが非常にやばい。レベルは平均33くらいかな。


天邪鬼なおいらが発売日に買った唯一のドラクエ。理由はネット上で発売半年以上前からネガキャンされまくっていたから。

クリアした時点でコンプリート率がすごい低い。これ、クリアしてからが本番というのがよくわかる。PSOでいえばやっとノーマルが終わったいうレベル。その後にはハード、ベリーハードとアルティメットが控えているといった感じ。もしくはDQ3でいえばやまたのおろちとボストロル倒したあたりでクリアした感じ。なんせクリア時の最強攻撃呪文がメラミとイオラ。

シナリオについて

シナリオはDQ9はかなりよい評価。好きなロト3部作はシナリオはほとんどいいところはない。2で1の世界とつながるところ、3で1の世界がつながるところくらい。あとは世界を救うという目標がありながら先に進むためだけにせっせとイベントをこなすだけ。DQ3はそれが特に強すぎてだらけやすい。システムがよいからまだ続けることが出来るが。

DQ5は非常によいお話だが一本道過ぎる上に「自分」を中心としすぎた物語。はじめてシナリオらしいシナリオを取り入れたDQ4はゲームシステムが一番面白くないという難点を抱えていて先を見るのがつらかった。DQ6は頭に残らないシナリオがつらい。システムのバランスが崩壊していたというのもある。

それとくらべると非常にDQ9はシステムのよさもあって先を見るのがつらくない。それどころか個々のミニシナリオの出来はシリーズトップクラスじゃないかな。序盤の黒騎士さまのお話とか漁師町、病気が蔓延してる町、お金持ちの娘のお話など涙なくしては語れないシナリオが多い。一方でラストへの流れの話はあんまりよろしくない。

町の人の会話もシナリオの進み具合でガラッと変わりやすい。昼と夜で配置も会話も変わる。神父さんや宿屋、武器防具屋も場所によって結構台詞もかわる。こういうところに金かけてるのは過去最高なんじゃないかな?町の人すべてに会話するのがつらくないのはDQシリーズどころかRPGで初めてかもしれない。歩くスピードが早い(というか歩けない。常に走る)ので歩いていて苦痛じゃないし。

システムについて

システム的にはDQ3を超える。DQ3が好評な理由はシナリオではなくシステム。人によって自由なPT構成が得られるのだが、実際のところ同じ職業だと同じ成長はしてしまうし、転職をうまく使えば最強キャラが作れてしまう。DQ9は現在の職業の特徴を出すという意味で呪文が職業に大きく左右されるというのはよかった。それでいて転職にLV制限はなく、だめだと思ったら元の職業にすぐもどれるのはよい。上級職が基本職の完全上位がなかったというのもかなりよろしい。ただ、ザオリクは僧侶専用呪文のほうがよかった。賢者専用って。

あと、面白いのがお金。4人が自由にこまめに転職ができるということはその分装備にお金がかかるということ。武器のスキルも系統ごとに完全に分かれているし。また、装備箇所が8箇所あることに加えて、見た目が全てに存在する。つまり、一度手に入れてしまった装備は売ることが難しい。これもお金がかかる原因だろう。

結果、はじめてクリアまでお金がまったくあまらない初めてのドラクエとなってしまった。店売り最強装備を4人に装備させることが出来なかった。すばらしいお金のバランス。お金そのものはかなりたまりやすいが、それが最後まで足りないとは思わなかった。また、最近のRPGほど後半のダンジョン等には店売り装備より必ず強いものがおいてあって、お店の価値をなくす作品も結構多いのだが、DQ9はそれがなかった。


ただ、ひとつシステム的な難点はマルチプレイを意識しているためかキャンプメニューを出していてもモンスターがうろつくということ。メニューをとじたときに敵と重なっているといきなり戦闘になる。出現場所は固定化されているようで戦闘後の回復のためにメニュー開いて閉じるとまた戦闘ということが非常に多かった。シングルプレイならば時間はとめてよかったのでは?とくに全画面を占有する装備画面では現在重なっているのかどうかがわからないためかなり慎重になる必要がある。また、同じ場所で連戦にならないように戦闘後少し歩いてからキャンプを出すのが癖になった。

このへんはテストプレイをすれば10分でわかりそうなところだけになぜか依然しなかったのか理解に苦しむ。

音楽について

音楽は頭に残るのが天使界のBGM。この曲は過去のシリーズとくらべても一級品ではあるのだが、それ以外の曲のインパクトが弱い気がした。宝の地図のダンジョンではDQ3の曲が流れるのだが、これを聞くとあらためて音楽の大事さを思い出す。決して悪い曲ではないのだが、頭に残らないなぁと。SFC以降はそんな感じだけどね。

サンディについて

サンディに関しては最初はうざいと思わせておいて、いないと寂しくなるというのは堀井のしてやったりといったところか。全体的に暗いお話を前向きにむかわせるためには彼女の存在は必要。それに後半知ってる人に「こいつはガキだから」といわれることからわかるように、いわゆるお子様、天然バカキャラである。お子様だから仕方がないと思わせるのはうまいなと思った。つまり、ユーザーが自然と相対的に大人になれるというか。

サンディが「あれほど邪険に扱われたのにみんな主人公に頼りすぎる」「主人公はさまざまなつらいことをやってきて、もう十分でしょ、もういいよ。」というような台詞が出るなど主人公と一番一緒にいた時間が長いキャラだけに心配してくれたりする。主人公を一番心配してくれているのがサンディだということ。というか結局主人公の味方はサンディのみだった気がする。

おそらく、サンディをたたいているのは実際にプレイした人ではなく、ネットからの断片的なシーンの抜き出しを見るだけでたたいているのだろう。これはマスゴミ偏向報道と同じ。あれを真に受けてる人が悪い。もしくは、サンディと同じく本人も子供のままで似たものを嫌っているだけなのか。

正直最初に出会ったときのイメージとクリア時のイメージとでここまで変わるキャラとは思わなかった。

ガングロキャラクターではあるけど、いわゆるリアルなガングロなギャルたちとはぜんぜん違いますね。男がどうだとかファッションがどうだとかどうでもいいことは言わないし、純粋にシナリオがらみだけですから。ガングロじゃなくてダークエルフだと思えばいいのですよ。

思ったことをそのまま口に出してしまうお子様。それにいちいち腹を立てる人はあんまりいないでしょう?

ネーミングについて

装備品や魔法、スキルのネーミングについてもたたかれているようだが、今までもひどいと思うところはたくさんあった。だがそれはわれわれはすでに通ってきた道だ。

SFC DQ3においてすでにルーズソックスとかガーターベルトという装備があった。危ない水着なんてのもあったわけで。

呪文はギラ系がなくなったが、もともとギラとベギラマはまったく違う呪文。これを系統立てた3の時点で立場がなくなってしまった。デイン系なんて新しいのをなくしてベギラマは今までどおり雷を落とす呪文にすればよかったのだ。DQ3での失敗は雷でも炎でもない呪文を系統立ててしまったこと。これをイメージするのは難しい。もともとギラは火球を飛ばす呪文だが、これは新しいメラ系に譲ったとして。

雷にうたれたキメラの翼がキメラの翼になるという説明を見て、キメラにベギラマ落としまくっていた人はおいらだけではあるまい。そもそもメラは「もしかしてメラメラ燃えるからメラか?(笑」と笑われまくってたんだけど。「ベギラゴンって恥ずかしいネーミングだなwww」とか。ギラとベギラマは初代にあった伝統の攻撃呪文なのでなくなることは寂しいが、今までもなくなった呪文はあるわけで。レミーラヒャダインは今こそ立ち上がるべきである。

でも、闇のいかずちの魔法を新しく用意する必要性はなかったんじゃないかと思った。賢者はデイン系でよかったんじゃないかな。敵の属性が細かく設定されているのでこのへんはネトゲをかなり意識した名残と考えたほうがよいのかも。

スキルにしてもマジックバリアとかセクシービームとかドラクエらしくないネーミングの技は今までもあった。

とりたてて9だけたたかれる理由は見当たらない。強いてあげれば今までテキストだけだったのが視覚化されたことだろうか。

戦闘シーンについて

敵味方ともキャラがよく動く。これ結構大変なこと。おかげで敵キャラクターの個性がよく出てよかったと思う。

攻撃を食らう側が正面を向いていた固定画面の今までのシリーズと違い、攻撃される側が手前にいたり奥にいたりするおかげでダメージを食らった側の正面だけではなく、背中側が見えたりするのが非常によい。攻撃する側の顔も見えるし。また、モンスターの移動もそれぞれ特徴ある動きで非常によろしい。

今回のドラクエで初めて完全3D化されたといっていいだろう。8はレンダリングだけに3Dを使ったというだけであって、世界を感じさせるのは今回の9が初めてかと。DSでここまでやっちまうかというのが正直な意見。背景もよくうごいて、戦闘した場所がよくわかる。川の流れとか動きも結構あってすばらしい。これほどよく動くコマンド選択式RPGは見たことがない。

モンスター時点で今まで戦ったモンスターが見れるのだが、ここで通常時だけではなく、攻撃や逃げるとき、やられたときのアニメーションなどなどを好きな角度で見ることが出来るこだわり様だ。

戦闘以外にしてもそうだが、DSでここまでやるのはさすがにきついようで、ビルボードを多用している。戦闘中だと周りのオブジェクトはビルボードで町等はキャラクターがビルボードだ。でもアップにしない限りわからない。DSはこれくらいがちょうどよいのかもしれない。プレイヤーやモンスターはちゃんと完全3Dになっているが、装備でいくらでも変わることを考えるとこれはすばらしい。

フルフェイスのかぶとをかぶるとそっけなくなりそうだが、イベントシーンではちゃんと頭装備は外れるようだ。細かいところだがこういうところはうれしい。


どうしてもロト3部作の評価が高い世代なので、仲間が勝手にしゃべりださないのが高評価。仲間も含めてプレイヤー=主人公だと思ってるからお前ら勝手にしゃべってるんじゃねーよといつも思うのであった。ウルティマウィザードリーが好きな人にとって一人だけ特別扱いされるほうが不自然というもの。

価格が安かったというのもよかった。DQ6DQ8なみだとネタのためと手軽にかえなかったと思う。

できればWiiで出るのが確定している10もこの方向でいってほしい。ただし、範囲攻撃のアニメーション等はしっかりと考慮して。アクション性のあるドラクエもやってはみたかったが、しばらくは外伝でいいだろう。ドラクエはバトルロードで新規層も開拓し続けているのでしっかりやれば常に300万本はだせるだろう。あとはリリース間隔をもっと短くだな。FC時代は1年に1本とかでてたし。


久々にゲーム評価。以下いつもの5段階評価。

  評価
システム ★★★★★
シナリオ ★★★★★
サウンド ★★★−−
グラフィック ★★★★★
総合評価 ★★★★★

同じDSのシステム重視のRPGということで比較すると世界樹の迷宮2の3倍くらい面白かった。カスタマイズ性にしてもむこうは同一職業でスキル取りを悩むだけだったが、DQ9はスキルをいかに継承させる、組み合わせるかを考えるのが楽しすぎる。システム面の細かいのはまた後でレポートする。