JavaしかかけないおいらがAndroidアプリをリリースするまで

の続き。

しかし、Androidの場合、VMJavaではないものの、言語だけはJava系なのでインパクトがないタイトルだなw


空いた時間にちょくちょく稼げるRPG、マモノバスター2はこちらから落とせます。


今作の開発開始時期そのものはかなり前となります。

ちょうど1年前、mixiアプリ版マモノバスターが配信停止しました。

原因はmixiのアドプログラムの価格改定です。これにより、広告料は1/10以下とかになりました。
mixiで無料で配信するにはアドプログラムしかありませんのでこの金額ではサーバー代が維持できません。そこで泣く泣く停止しました。


次につくるアプリはプラットフォームの広告に依存しないものを、という選択からスタートすることになります。

そうなると、広告が元気なプラットフォームは限られます。ぶっちゃけるとスマホです。
さらに言うとスマホといってもAndroidiOSです。リワード広告などはAndroidのほうが自由度があるためか数が多いようです。

オンラインのアプリ市場がなぜこの2つに絞られるかというと、その他のプラットフォームでは広告がないからですね。


で、AndroidiOSとどちらが開発が楽かと聞かれると、Java言語が触れる分圧倒的にAndroidです。iOSは開発が大変なのは目に見えています。


というわけで、プラットフォームはAndroidに決まりでした。


・・・となったのは去年の夏です。

1回目の開発

それまではどうなっていたかというと、WebViewを利用してPC,AndroidiOSクロスプラットフォームで配信しようとしていました。前作がWebアプリだったので当たり前ですね。

ただし、Webアプリでは配信は自由度がありますが、サーバー維持費が出せません。

ここまでが去年の5月ごろまでの話です。

もちろん、Webアプリとしてクロスプラットフォームで作成していました。また、移動するマップもありました。



やはりサーバー代が捻出できないと厳しいなということで止めます。

そこで

サーバー代がかからなければよい
 ↓
スタンドアロンで出せばよい
 ↓
Androidでだせばよい

という感じになりました。


1回目のは破棄、いちからの作り直しです。


https://shinsan.s3.amazonaws.com/diary/2014/0127-01.png
1回目の時。マウスでの操作ならこれでいいけど、タッチは大幅に構成を変えないといけないという。

2回目の開発

気を取り直しての開発。

どうせスタンドアロンなら戦略性の高いパーティープレイがいいだろう、そう思って開発しました。
かわりにマップ機能を削除、ダンジョンの進捗率を表示する前作と同じものにしました。


・・・しかし、しっくりきません。


パーティーバトルということは攻撃にしろ、魔法にしろ、だれを対象にするのかという選択が入ります。十字キー+決定ボタンだと気にならないのですが、タッチ操作をしているとこれがすごく手間です。

特に意識はしてなかったのですが、前作の1対1での戦いはこの辺のバランスが良かったのではないかと思うようになりました。

また、連携的なものもパーティーの場合誰を基準にすればよいのかあいまいです。

ということで、2回目の開発もストップすることになりました。

2回目の作り直しです。


2回目の開発で実装したもので3回目に受け継がれたものとしてマモノのHPやMP表示があります。前作では途中から数値をダイレクトに表示していました。ドラゴンスレイヤー英雄伝説のように。それを今回はメーター制にしました。世界樹の迷宮のように。

3回目の開発

まず、基本的な流れは前作同様にする、1対1の戦いにするなど細かいところを盆の帰省中に練りまくりました。プラットフォームをmixiアプリからAndroidにするというだけで十分チャレンジングなのだから、基本的な流れはそのままで、システムで楽しませるという方向にチェンジします。

システムで楽しませるというのは、たとえば転職です。今作には職業があり、その職業ごとに連携が違います。それだけならば前作の勇者タイプ(ステータスによって決まる)と同じですが、今回は職業によってそれぞれのステータスの成長率と覚えることができるスキルがかわります。転職を繰り返すことでステータスやスキルを調整していく楽しさが生まれました。開発規模は抑えながら。

また、連携用のキャラクターを酒場で登録できるのですが(前作はmixiの友達のプレイヤーが自動で表示された)、キャラのステータスの詳細も見ることができます。バージョンアップを繰り返して少しずつ詳細なステータスは見れるようにしていましたが、今回は持っているお金やスキル、もっている薬草の数など何でも見れます。このひとは薬草かいまくってすすめてるなーとかがわかります。

やりたいことが明確になった後は早いもので、盆明けから開発をスタートして3か月程度でほぼ動くところまで完成しました。平日の夜少しと週末のみの開発です。この時点で100時間程度だったでしょうか。

このあと広告などの組み込みや調整をぎりぎりまで行いました。結果的に150時間程度まで膨れ上がったと思います。毎日8時間開発できたら一か月で開発できることになりますか。

前作は80時間で最初にリリースしましたが、出来上がっていったシステムはその後のバージョンアップによるものが多く、ダンジョンの数も最初は5つだけでした。今作はダンジョンの数は7つありますので、システムとあわせて妥当な線でしょうか。規模は抑えたと思います。

技術的なこと

開発は1回目、2回目、3回目ともにIDENetBeansのみです。

1回目はNetBeans+GWT4NBプラグインで開発していました。いつも通りのmixiアプリと同じですね。

2回目、3回目はNetBeans+NBAndroidプラグインで開発しました。

サーバー側はいつも通りJAX-RS、Jersey2で実装です。

運用側はAWSのBeanstalk+DynamoDB+S3です。男らしく3年ヘビーリザーブです。


Androidの開発を常にエミュや実機で開発となると工数が大幅にかかります。そこで共通の描画やサウンド、タッチイベントなどのレイヤーを作り、そこでゲーム自体のコードは100%共通としました。1行たりともPC版とAndroid版と違いはありません。


https://shinsan.s3.amazonaws.com/diary/2014/0127-02.png
PC版。BGMも効果音もなる。おそらくMacLinuxでもそのまま動く。


2回目までと違い、3回目の開発では描画もOpenGLにしてAndroidとPC(Java+JOGL)とで共通としました。

共通レイヤーを作って作るというのはmixiアプリ第2弾のPONPONと同様ですね。あちらはPC側はSwing+Java2D、Web側の描画&サウンドエンジンはFlash、ゲーム部分はGWTによる100%共通部分をJavascript化で、ロジックは一切Flashにもたないという変態アーキでしたのでアレに比べると難易度ははるかに低いと思います。



そのほか今回注意したのはバナー広告を間違ってタップしないようにすること。バナー広告やアイコン広告をメイン画面から離すようにしました。

また、縦持ちで、画面上のステータスエリアを常に表示するようにすること。フルスクリーンのほうが楽ではありますが、やはりながらプレイは時間や電池、お知らせの表示などをしたままのほうがいいと思いました。スマホのゲームは限りなく100%に近いくらいフルスクリーンでのプレイとなります。そのせいで現在の時間やバッテリなどを確認するためにホームボタンを押すというのはやはり使いにくいと常におもっていましたので。

利用できる画面は狭くなりますが、この考え方は基本変わらないでしょう。


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