Wii ラストストーリークリア レギンレイヴ好きにどうぞ

今週の頭にクリアした。いろいろと新しい試みをしているのがよくわかる意欲作。

ラスボスを倒した後の後日談、エピローグをプレイするというのもわりかし斬新。戦闘もある。何より街などが大幅に変化ある。

そのかわり細かい不満点も結構多い。


激しく長文で。あんまりまともにまとめる気もなく思ったことをだらだらと。

プレイ時間

短いということだったけど、結構ある。エンディングを見た時点で24時間38分。ゲームオーバーになってかなりやり直したことがあったことを考えると25時間は超えているだろう。

チャプターはすべて連続しているわけではなく、メインシナリオだけだとかなり取りこぼす模様。おいらもいくつか取りこぼしているみたい。すべてのチャプターをうめて20時間をきるのは初回ではたぶん無理だろうね。

街で人の話を聞いて回るのが楽しいという人は取りこぼすことがないと思うけど、取りこぼすとそのぶん経験値が減ってラスボスではまるのかもしれない。ラスボスの攻撃は一撃で死ぬので(死の宣告ではなく普通の攻撃で)LVをかなり上げないといけないようだ。

よくよく考えるとゼノブレイドが異様に長いだけ。これくらいのプレイ時間は普通とも。FF3やFF4くらいの長さだから。

グラフィック

きれいなようなきれいじゃないような。たぶんテクスチャの使い方なんだろうけど、ジャギってるのがすごい目立つ。スクエニチョコボの不思議なダンジョンもテクスチャの使い方が下手だったのかすげーちらついてたのを思い出した。あれも被写界深度を設定していたね。ごまかすためにやっているのだろうかとかんぐってしまう。

顔の表情があまりパターンが多くないらしくイベントシーンでもゼノブレイドのほうがはるかにきれい。フィールドも。また、光の表現や被写界深度を設定していたりフレームレートが低い場面も多い。フレームレートが安定していないと具合が悪くなる。

快適さのほうを優先してほしかった。が、おおむね合格点か。

シナリオ

シナリオはわりと好感触。ベタだが、それがいい。…ってのはレギンレイヴでもゼノブレイドでもいっていたな。

戦闘システムありきで考えられていたと行っていたので期待していなかったがよかった。

お話は基本ボーイミーツガール。城から抜け出した姫に城下町で出会い、かくまったり一緒に逃げる主人公。主人公は人々に忌み嫌われる傭兵だが騎士になることの夢見ていて、姫は城の外の世界を夢見ていた。主人公は姫に外の世界はそんなにいいことばかりじゃないといい、姫は貴族や騎士は自由がない、そんなにほめられたいいものではないという。そして城で姫との再会、そこでその女性が姫であることにはじめて気がつく。

まさにべったべた。


納得いかなかったのはエンディングの部分くらいかな。なんでそうなるのと。ご先祖様は何をしていたのだと。

ただ、世界観として一般的なファンタジーと思わせておいて、主人公たちの見た目が非常に軽装備なのが気になった。騎士とかは普通に分厚いよろいとか着ていたので、主人公たちもできるのだろうと思ったらいわゆるオサレなJRPG(笑)といわれるような世界観ぶち壊しな装備しかなかった。

あーもったいない。

不満点

まず、チャプターが大量にあるのだが、これはちゃんと選択していかないと抜けてしまう。この抜けるチャプターはかなりキャラクターの設定で重要な要素のはずなのだが、これが抜けてしまうとかなり味気ないものになってしまう。また、プレイ時間も大幅に減ってしまうだろう。全部チャプターを埋めていって人の話を聞いていれば30時間はいくだろうが、メインのみプレイしてすべてとばしたら15時間程度になってしまいそう。

チャプターが飛んだかどうかは新しいチャプターが始まったときに表示される数字を見逃さないしか方法はない。正直メインとも呼べるこのチャプターを飛ばせるような仕組みにしたのがよくわからない。ラスボス撃破後も比較的長い時間うろつくことになるが、ここを飛ばしてエンディングへいった場合かなり味気ないものになりそうだ。


次にゲームオーバーからのやり直しの不快さ。ロードがいちいち入ることや、ムービーを何度も見せられること、セーブポイントや中断場所によってはかなりもどされてしまうことがゲームオーバー後やり直すのをかなり苦痛にしている。思いっきり戻される理由として経験値を稼げるポイントがあるのならいいのだが、それが存在していない場面も多い。


そして極めつけはゲームオーバーになる理由がわかりにくいこと。ゲームを始めてすぐに街の中を逃げ回ることになるが、これがどうすればいいのかが非常にわかりにくい。ここだけで10回はゲームオーバーに。もちろん、ロード時間がここでもあり、やり直しが苦痛だ。ムービーはさんでいないのでここはまだいいところだが。

クモのボス戦はなにがおこってるかわからないし(しかもオートセーブされる中断セーブのほうが通常セーブより遠い場所ではじまる変な場所のひとつ)、ラスボスも最後の形態が異様に強い。HP満タン、ダウンも5回まで大丈夫!という状態から一瞬でゲームオーバーになる。死の宣告以外に一撃で即死する技を連発するようだ。これは運が絡むようでクリアしたときはこの技をほとんど食らわなかった。多少LVをあげたというのもあるけど。(最後で10LVくらいあげる羽目に。すぐあがるからいいけど。ラスト以外では経験値稼ぎをしていないことを考えると…?)

ゲームオーバーになった回数は40回は越えた。一番理不尽だと思ったのはラスダンで分かれて進むところ。ここは経験値を稼げるポイントがないくせにかなり前に戻されてムービーもロードもある、しかもチャプターをはさむという場所のひとつ。そのくせ攻略法がわかるまでまったく進めない場所である。わかれば対処は容易だが、わからないとまったくダメという場面があまりにも多かった。後5回ゲームオーバーになっていたら完全に積んでいたポイントである。なんせセイレン組は開始5秒で即つんだりするくらいなので。

LVを稼いでいないというのもあるけど、全体的に紙装甲なのが気になった。近接キャラなのに。近接攻撃すると即死亡。エルザは操作できるからいいとしてもオートで動く他のメンバはどうしようもない。ゼノブレイドでたとえるとみんなメリア並みの型さでライン並に敵をひきつけて戦うゲーム。えーっ。


このゲームは防具を鍛えることによって防御力をあげることが可能だが、+3まで鍛えることができるノームの銅塊や+6まで鍛えるノームの銀塊がほとんどでない。ノームの金塊は大量にあるのだが、この塊は修正が低いうちは銅や銀しか使えないため金が大量にあっても意味がないのだ。結果、防御は初期からほとんど変わらず。これがやけに打たれ弱い原因だろうか。みんなどうしてるんだろう。


最後に操作キャラ以外の動きがわかりにくいこと。このゲームはゼルダの伝説レギンレイヴのようなアクション性の高い戦闘になっている。かなり忙しいわけだ。そのくせPTバトルであり仲間の動きをちゃんと把握しないと勝手にかなり遠い場所で死んでいたりしている。メンバーも最大7人ということで把握しにくさが加速している。

なんといっても仲間の位置が非常にわかりにくい。レギンレイヴなんかはNPCの位置が画面外でもわかるが、ラストストーリーにはそれがない。ゼノブレイドは基本ガチンコの近接バトルしかないことや、戦闘フィールドを利用して物陰に隠れるということがないこと、最大3人であることなどで圧倒的に把握しやすい。


このように全体的に不親切、説明が足りないところが多い。ここをほんの少し手を加えるだけでかなりよいものになったと思うとかなり残念だ。

戦闘システム

ゼノブレイドのようなシームレスバトル!

と思うとぜんぜん違ってびっくりするだろう。このゲームはゼノブレイドのようなコマンドバトルではなく、完璧なアクションゲームである。

ゼノブレイドはリアルタイムでコマンドを入れていく、戦闘はそのフィールドの場所で行われるが、あくまでも従来のコマンドバトルである。位置取りは敵の範囲攻撃とリキの回復範囲くらいしかさほど意味はない。特に敵は距離をとって遠距離攻撃をするということはせず、ぴったりくっつくまで接近して戦う。お互い正面切って正々堂々戦う。地形は戦術にほとんど影響しない。

一方でラストストーリーは基本は地形にこそこそ隠れて戦う。敵の魔法使いを物陰からボウガンで詠唱をつぶしながら接近していったり。敵をひきつけて味方の魔法でドカーン!とかでもいいわけだ。中盤以降力押しではまったく勝てなくなるのも面白い。意外とよいバランスだ(一部のはまりポイントをのぞいて)。

最初は使える能力も敵をひきつけることとボウガンくらいしかないが、LVや話が進むと物陰に隠れてから急に飛び出して強力な一撃を与えたり(武器によるか)、壁を駆け上がって宙返りしながら強力な一撃をしたり、味方の魔法を拡散したり、味方に直接スキルの指示を出したりする。

もっともアクションっぽい理由が、ガードがあること。ガードボタンを押しっぱなしでガードできるが、後半になると攻撃にあわせてガードボタンをタイミングよく押すことによって敵の攻撃をはじいて隙を生み出し、そこに攻撃を加えるといったよくアクション系にありがちなシビアなタイミングの必要になったりする。


また、戦闘の前にはあらかじめ俯瞰で敵の配置や隠れることができる地形を確認することができる(というか強制で見せられる)。これをみて戦いの戦術を考えてスタートということで、この辺が非常に面白い。SLGのよう。のだが、ボス戦ではこれが生かされないのが少し残念だ。が、地形を利用して戦うARPGというのは意外と少ないので非常に好感触。


そのほか斬新なシステム

タイトル画面は進んだ場所が出る模様。ゼノブレイドみたい。クリアした後のはかなりかっこいいね。

ただそれだけじゃなく、タイトルメニューを進んでいくとカメラが動いていく。ちょっとした演出だがこれはかっこいい。


そのほか、チュートリアルのはじまるときの動いている3Dから2D絵への移動とかはすばらしいと思う。わかりやすければもっといいのだが。メニューからのチュートリアルの大半が短いメッセージのみなのもきついか。

全体的に動きをつけようという試みがよくわかる。


あと、戦闘と戦闘の間に短いムービーがよくはいることも多いが、基本目的地に到着するまでは勝手に歩かせない。そのおかげで道に迷うことはないし、自分が操作している感覚は残ってはいる。が、ムービーのためにロード、場面切り替えのためのロードとなるためロードとにかくこまめに入るという印象が強い。それによって快適さは失われているのだけが残念。

やっていることはゼルダの伝説と同じなのだが基本リンクがソロで戦うためあちらは会話等によるだらだら感がない。このへんって難しいだろうなとは思う。


というわけでいつもの5段階評価。

  評価
システム ★★★★★
シナリオ ★★★★★
サウンド ★★★★−
グラフィック ★★★★−
総合評価 ★★★★−

シナリオとサウンドは期待していなかったが意外とよい。わかりやすい話を心がけていると思う。突拍子もないってことは少ないし。ただしチャプターが飛ぶのが残念だ。キャラクターの性格や世界観等をきめるだいじなものなのに。せっかく作りこんだものが意図せず飛ばされるというのはプレイヤーにとっても製作側にとってもいいものではない気がする。


序盤はやれることが少ないため、戦闘の面白さがわからないと思う。船を奪い、砦に乗り込むあたりから面白くなってくる。チャプターも飛んだりすることもあって周回プレイするのが前提のゲームだろう(逆にゼノブレイドは引継ぎありの2週目以降がクソゲー化するので引継ぎなしが面白い)。また、アクション系にかなりよっているので、ゼノブレイドのようなコマンドバトルを期待するとイメージが違うとなるだろう。レギンレイヴゼルダが好きな人にはお勧めしやすい。


正直FC版FF1をもう一度プレイして何がよかったのか思い出してほしいところ。FF1と同じことをゼノブレイドがしちゃったというのがある意味皮肉…かな。技術はモノリスのほうがはるかに高いようなので、シナリオと戦闘システムを引き続き坂口氏にやってもらって坂口Xモノリスという組み合わせは見てみたいかも。

あ、ちなみに売りにしていたギャザリングのシステムはダメだと思う。ヘイト管理ちゃんとできるようなやつにしてもらったほうがいい。

ほんとこまめなロードが改善されるだけでかなり印象はかわっただろーなと思う。それで総合評価は4つにしておく。


去年の評価一覧に照らし合わせると80点くらいか。