昔はITについてみんな知っていたのか

それは中学、高校でどれくらいITについて教えてるんだろう?ということです。

IT業界に興味をもってもらうには、それ以前にITの仕組みについてある程度早い段階で興味をもってもらわないと。

まず大学以前に興味というか存在自体知られなかったらちょっと辛いんじゃないかなあ。

http://d.hatena.ne.jp/shot6/20080803#1217728075

確かに最終学歴の就職活動直前で興味を持ったところで即戦力どころか適正があるかどうかもわかりやしない。例えば普通高校と工業高校の情報処理科卒業では基礎知識で大きく差がつくと思う。純粋な授業内容による差もあるのだが、情報処理科を選んでる時点で少なくとも中学時点で意識の差があるため、これを埋めるのは至難の業。

「IT業界という面白いところがあるんだよというのを幅広くわかってもらうこと」

言いたいことはわかるけど、昔は今より圧倒的に露出の少なかったITという単語。30才以上の人は学校で中学高校でパソコンなんてなにも習ってはいないよね。じゃあ中学高校でパソコン触らせることが一般的になった今と比べて昔はIT業界が今よりひどい状況だった・・・とはあんまり思えないよね。業界が面白いという話をしたところで中学生が興味をもってそちらの方向に進学するだろうか。

結局プログラミングが楽しいんだよというアピール以外は弱いんじゃないかな。だって、業界の話が本当かどうかは社会に出てみてからじゃないとわからない。でもプログラミングが楽しいか楽しくないかは今すぐ体感することが出来る。ソフトを作ることが楽しくないのならやめたほうがいい。毎年勉強しないといけない業界だから。そういう意味でもこの業界は社会に出る前にがんばれば即戦力となる力をつけることができたり、作業内容を把握することが出来る非常にわかりやすいものなんだけどねぇ。

問題はそういった入門的なプログラミングの楽しさを広める雑誌が一切ないこと。それどころか入門記事が日系ソフトウェアくらいしかだしていない。もちろん、日経ソフトウェアは実務的なものが多く、楽しさはもとめていない。ベーマガやOh!シリーズやMSXFAN、MSXマガジンポプコムなどパソコンを扱うことの楽しさを前面に出した雑誌は存在していない。


さらにいうと、高々10年位前は待遇改善とかキャリアパスとかそんなのは誰も言い出さなかったと思う。昔は普通に中小規模のSI企業が大企業のシステム(基幹でないにしろ)を作るのは割と普通にありえた。しかもちゃんと持ち帰りで中間業者もなくしっかりとした受託開発で。もちろん、中小規模のシステムも。普通に勉強して普通に仕事をして普通に暮らす。

それが今では大手SIの派遣型に集中してしまった。しかも人を送り出しているのは派遣会社でもなく、中傷SI企業が偽装請負という法律違反を犯して。原因は不景気。大手企業は大手SIにしか仕事を出さなくなり、中小企業は真っ先にIT予算を削った。