第40夜 AWS EC2の月額料金

EC2は外部の転送量などによっても価格が変わってくるため確定ということはないのだが、コンピューティングのリソースに関しては時間できっちりと決まっている。そしてこの部分がたいていの場合大部分を占める。その部分を概算で一ヶ月当たりの価格を一覧にしてみる。国内外のVPS等と比べてみるとよいだろう。

リージョンは

  • ダントツに価格の安いUS東海岸
  • 高いが転送速度が速い東京
  • 世界的に転送スピードにバランスがよく、価格も東京よりやや安いUS西海岸

の3箇所で。日本国内に限ってなら速度がめちゃくちゃ遅いわりに東海岸より高いEUを選ぶ理由はないし、東京ができてしまった今ではシンガポールを選ぶ理由もまずないだろう。

リザーブは定額を前払いでお安くなる。感覚的には1年縛り、3年縛りと考えていいだろう。


7/12時点での価格。1ドル80円換算で月額料金を表示してみる。マイクロとスモールインスタンスで。スモールインスタンスはスモールというわりにメモリ1.7GBとかスペックがいいので、基本しばらくこれだけでいい感じ。

Windows

リージョン オンデマンド 1年リザーブ 3年リザーブ
東京 2044円 1606円 1418円
US西海岸 2044円 1294円 1117円
US東海岸 1752円 1119円 941円
リージョン オンデマンド 1年リザーブ 3年リザーブ
東京 7008円 5389円 4614円
US西海岸 7592円 5021円 4282円
US東海岸 7008円 4433円 3698円

Linux

リージョン オンデマンド 1年リザーブ 3年リザーブ
東京 1577円 1022円 834円
US西海岸 1460円 944円 766円
US東海岸 1168円 769円 591円
リージョン オンデマンド 1年リザーブ 3年リザーブ
東京 5840円 4221円 3446円
US西海岸 5548円 3853円 3114円
US東海岸 4964円 3265円 2530円


あくまでも概算。

傾向として

東海岸が圧倒的に安い。

東京リージョンのオンデマンドの価格はほとんどの場合、US東海岸の3年リザーブの倍以上の価格。レスポンスが重要ではないタイプのアプリの場合こちらに移すというのもあり。まさかスモールインスタンスが3年リザーブだとLinuxで2530円、WindowsServerで3698円とは思わなかった。この価格だと国内格安VPSと正面張って戦えるだろう。ただし、国内の格安VPSはレスポンスがいいので単純ではないけど。

西海岸は時間当たりの料金は東京にわりと近く(やや安いが)、リザーブの料金は東海岸に非常に近いようだ。なぜかスモールインスタンスWindowsはUS西海岸が一番高い。


転送量やEBSの容量等によっても変わるので、これで確定というわけじゃないので注意。また、24時間稼動しっぱなしという前提なので、場合によっては昼の12時間だけ動かせばいいというシステムだった場合、価格は半分になる。また、転送量によって変わるということはサーバーとのやり取りで圧縮したりデータ量をいかに減らすかという意味が強いということでもある。この辺は面白いところでもあると思う。


あくまでも参考程度で。間違っていても泣かない。価格でしか比較していないので地理的なリスク等も入っていないのに注意。


ちなみにWindowsServer、リソースをLinuxと比べて食いまくっていると思っている人多そうだけど、日本語化した時点でメモリ使用量は300MBくらいだった。まさかマイクロインスタンスでも余裕で足りるとは。64bitしかない2008R2にしてもかわらず。コマンドラインしか使えないcoreにすればもっとメモリ使用量は減るだろう。けど、Linuxに対してのメリットが減るかな。WindowsServerの利点はRDPで入ってGUIlocalhost接続のWEBの管理ツール(Glassfishとか)を利用できるところだし。ただし、IEは立ち上げると数十MBはメモリ食う。GUIってのがどれだけ負荷がかかるかもよくわかる。スモールなら何も気にしないけど。