930SHをしばらくさわってみた使用感

予想通りやはり気軽に使えるようになったというところが大きい。910SHではレンズがくらいので白とびや黒塗りが多発していたが、この機種はそれがない。

910SHでは少しでも明るいと白とびを防ぐためにNDフィルタがすぐにはいってしまい、普通の明るさでもF値が10をこえるとかすごいことになっていた。それをいかに抑えるかが910SHユーザーのテクニックの見せ所で、ズームを入れてF値調整したり(おいらが提唱した2段階くらい入れると良いというのはそのため)していた。

特に、NDフィルタは急激に明るい場所を表示しようとすると簡単にはいってしまい、画質が急激に悪化する。910SHの暗いところの場面の劣化具合がひどいというのはみんな知っていると思うが、NDフィルタが入ると画面全体がひどいボケた画質になってしまう。NDフィルタが入るときに音がすることから、本体を耳の近くにおいて、まずレンズを手でふさぎ、そこから少しずつ光が入るようにレンズから手を離す、といったことが自然と身についてしまった。

また、シャッタースピードが非常に遅くぶれやすいのも問題だった。明るいところではすぐにフィルタが入ってしまい露出時間が上昇、屋外なのになぜか1/100を下回り、ぶれるということも珍しくなかったのだ。

確かにきれいに取れるようにはなったが、手軽さのかけらなどそこにはない。

そんなテクニックを使ったところでどうしても明るいところと暗いところがある場面はどうしてもうまく取れない。例えばこんな感じの画像は910SHでは非常に苦手としていた。


930SHではそれらの心配がまったくない。明るいところでもやや暗いところでもまったく問題はない。レンズの明るさはやはり重要。最重要。


だが、非常に暗い場所、たとえば、薄手のカーテン等をして蛍光灯をつけていない屋内くらいの明るさでも蛍光灯の明るさがあるかのように明るく補正しすぎるのが気になった。つまり、露出時間をおもいっきりのばすのだ。そうすると手振れがふえて画質は急激に劣化していく。そしてオートはISO感度が自動的に調整されてわけのわからない画質になる場合も多い。

正直人間の目に見えない暗さでも明るく表示使用とするのはやりすぎだと思う。日陰など暗いところでは暗く表示して欲しい。日差しが強いところではそのイメージが残るくらい多少城飛びしているくらいのほうが雰囲気があってよい。現時点では特に暗いところであまりにも人間の目でみたものと大きく違うのだ。


それ以外はおおむね満足。光学ズームが欲しくなることもあるけど、それは2年後でもあの薄さ軽さでは実装は無理だろうなぁ。ズームが必要な場面はコンデジにまかせると割り切るといいか。


日常の写真はもうこれできまり。L版印刷する上で十分な画質だと思う。

5段階評価でこんな感じ。

機種 手軽にとったときの画質 最高に調整したときの画質
902SH ★★
903SH ★★★ ★★★
910SH ★★ ★★★★
930SH ★★★★★ ★★★★★


930SHで手軽に試せるテクニックとしては蛍光灯の下とかではあまりにも明るくしようとしすぎるので、撮影モードを変えるのがよいようだ。スポーツモードはフレームレートが高い代わりにノイズが出る(たぶんISOあげてる)。ペットモードも同様のようだ。オートでも明るさを-2にしてみるとか暗くなる代わりにフレームレートが上がる。暗いといっても見た目が人間の見た目に近いのでこれらのモードはオススメだ。

その確認には実際にカメラを構えて左右に振ってみると良い。930SHは積極的にシャッタースピードを落とすのでフレームレートが低下しているかどうかですぐにわかる。

とりあえずモードの違いについては同じ被写体でいろんな写真を撮って確認してみたいと思う。


あと910SHを持っている人はわかると思うが、蛍光灯の明るさでちょっとでも下を向けるとすぐにフラッシュをたいてしまうということはないのでご安心を。そもそもOFFがデフォルトみたい。