開発コストと運用コスト

さて、富士通クラウドが出たわけだが、そこで改めて考えてみる。


GAEは圧倒的コストパフォーマンスを誇るが、従来のライブラリと打つ変えないものが多く開発効率は大きく劣るものとなる。ただし、サーバーの管理をしなくてよいということでさらに運用コストは大きく下がる。


ではどちらのほうが得だろうか。顧客視点で。


たとえば富士通クラウドで開発期間1人で3ヶ月のシステムがあったとする。そして運用はsmallをみると月1.5万円くらいだろうか。

5年間運用したとして開発費に一ヶ月50万だとして

3*50 + 1.5*12*5 = 240万円



こえをGAEで作ると5ヶ月かかったとしよう。今の状態だと実際にこの程度の差は出るはず。運用コストは5000円くらいか。

5*50 + 0.5*12*5 = 280万円


GAEのほうが高いとでた。

業務系のシステムの場合は運用に人手を割くことによってさらにGAEは不利かもしれない。サーバー自体のメンテは富士通のIaaS型のほうがかかる。ただし、運用というのはアプリケーションを使い続けてもらうために細かいところにたくさん手が入る。その際に開発効率が悪いということでコード自体のメンテナンスコストが大幅に増えるためどちらが有利ということは無い。


結局個人レベルやベンチャーがハイリスクハイリターンな完全新規でしがらみの無いサービスでしかGAEのメリットはなさそうだ。開発の規模が大きくなればなるほど開発コストの差は大きいし、アクセス数が多くなったとしても一番高い富士通のサービスを選んだとしても高々5万円だ。自動でのスケールこそないものの、本当にパフォーマンスが必要になったときインスタンス複数立ち上げて用途に応じて自前でKEY-VALUEストアサービス立ち上げればよいというだけだったりして。実際は1vCPUの性能が高いので1つのインスタンスで大概裁けるとは思うが。

やっぱり業務系はGAEは無理だなー。ベンチャーにしても立ち上げ時期が遅れるというのは結構きついことかもしれない。イニシャルコストがかからないことからまずは富士通のサービスで立ち上げてGAEに移行したり、組み合わせて利用するというのが現実的だろうか。