価格大事


http://m-create.com/ranking/

2009年9月11日時点のランキングを見ると、長期にわたって売れるソフトもあいかわらずある。

中でも注目すべきは価格だ。


据置は7000円台が珍しくないのに対して携帯機は3000円台が珍しくない。

これは口コミによる売れやすさをあらわしていると思う。


もともと自分が購入しようと思っていたようなソフト、特定ユーザー向けの固定客があるソフトはある程度の価格は無視できる。

だが、他人が楽しんでいるとわかっていても、面白さが保障されているのがわかっていても、自分が購入するためのルールからはずされた作品はなかなか手が出しにくい。こういうのは中古でかったり、友人から借りたりすることになると思う。楽しんだ人もクリアしてしまえばそのソフトのよさを共有したいと思い、進んで貸すと思う。


でも、これが同時に楽しむことが可能なソフトの場合はどうだろう。あとで一人で遊んでいるより、他人と一緒に楽しんだほうがよいとわかっていれば、今購入したいと思うに違いない。そしてそのときのハードルは価格だ。もともと買う気がなかったソフトなのだから高い金は出せない。ほかに購入予定のソフトがあったりするのも普通だし。


つまり楽しい時間を共有しやすい長く遊べる価格の安いソフトは非常にじわ売れが長く続きやすい。


たとえば据置機のどうぶつの森は64/Wii版が5800円、GC版が6800円。携帯機は4800円。この1000〜2000円のハードルは決して低くはない。

脳トレの価格は非常に安く、最近ではトモダチコレクションが最初からベスト版であるかのような価格。


モンスターハンターシリーズは据え置き機は1、2、3ともに7000円ちょい。一方でモンスターハンターポータブルは1、2ともに5000円ちょいくらい。もともと2000円くらいの大きな差はあるものの、ベスト版でさらに大きく価格が下がりユーザー数をうまく広げることに成功しているように見える。

  1. MHP通常版がそこそこうれて開発費を回収する
  2. 半年以上たったらベスト版発売で大きく数を伸ばし、最終的にミリオン達成(本数というブランドが確立)
  3. 大量にユーザーを伸ばしたMHPのユーザーがMHP2へ飛びつき口コミでじわ売れでミリオン突破(連続してミリオン突破)
  4. 従来のユーザーがそのまま移行できるようなアッパーバージョンとしてMHP2G登場
  5. またミリオン突破で確固たるブランド確立(3回連続ミリオン突破)
  6. 廉価版導入でトリプルミリオン達成

通常廉価版はブランド崩壊を招きやすいのだが、カプコンだけがうまく使いこなしてるなぁという感じだろうか。新作ではなくユーザーが慣れ親しんだアッパーバージョンを用意するというのはストリートファイターIIシリーズがたくさんあったのと同じ。ユーザーはストIIIではなく、ストIIの改良版を望んだのだ。そしてMH3はここでいうストIIIの立場と考えるとなかなか面白い評価になりそうな気がする。

カプコンのことだからMH3Gを作っているとは思うが、半年程度で出せるとも思いにくいのでまずは廉価版だすんじゃないかな。また、MHGの低価格路線を考えるとMH3Gも5000円台とか価格を抑えそうな予感も。


そう考えるとドラクエ9の価格はなかなかいいところをついたと思う。従来の考えだったら携帯機でも6800円くらいはいっていただろう。DQ9ドラクエというブランドの中でも最も売れた作品になるのは確定だし、下手をするとサード初(かな?)の400万突破もある。

1年間クエストの配信やwifiショッピング、クリア後が長く遊べる仕組みということで、おいらだったら冬休み前に廉価版を出すかな。ブランドを作るために。単なるいままでのソロ用RPGだったらブランド壊すだけなんだけど、これでさらに50万本とか上乗せできたら大変なことになる。ネットのネガティブキャンペーンに踊らされてプレイしていない人はまだまだ大量にいると思うので、実売で3000円切るようだとためしにとかネタ的に購入してみようかと思うきっかけになりやすいかもしれない。

DSの場合データ引継ぎがまず絶望的なので次のアッパーバージョンへという動きができないのがちょっとつらいとは思うが、WiiだったらそれができるためDQ10ではなんかしかけてくるんじゃないかなと思ったり。


昔と違って小売から販売された予測本数が何本!という非常にわかりやすい指標が今では容易に入手できる上に、ユーザーもメーカーもその方向向いてしまったのでブランドを作るのは本数という状況になりすぎてる気がしないでもないが。

そもそも本数や台数という数字でしかけたのはPSだからなぁ。そのPSもSFCより価格が安いことを売りにしてシェアを伸ばして、PS2以降の価格高騰があり、DSやWiiが低価格なソフトを用意してきたと考えると歴史は繰り返す…のか。