世界樹プレイヤーのためのドラクエ9講座 その7

今回は前回のパラディンと同様に同じ名前の職業であるレンジャーを比較。

ただし、職業としてはぜんぜん別物なので、DQ9のレンジャーを中心に解説してみる。

レンジャー VS レンジャー

世界樹の迷宮1,2とで多少の違いはあれど、どちらも最速を誇る職業という点では変わらない。「2」では武器のストライクランクの影響が多すぎて行動そのものは遅いけど、アザーズステップの便利さはかわらない。

「1」のレンジャーでは良質のダメージスキルがそろっており、通常攻撃はぱっとしないもののボス戦闘では圧倒的な火力を持っている。一方、「2」のレンジャーは飛びぬけた火力は削減され、毒や眠りなどの追加効果のある弓攻撃によるマニアックなキャラ設定された。

エンカウント率を低下させたり、ダメージ床軽減や収集系スキルがそろっていることなど、戦闘以外での活躍も見逃せない。



一方DQ9のレンジャーは…足が速くない。上級職の中では足が一番速いものの、基本職はみんな全体的に足が速いため、なんと基本職で並び替えをするとレンジャーがすばやさで勝てるのは戦士だけというおそろしい状況になっている。

では、DQ9でのすばやい職業はなにかというとそれは圧倒的に「武闘家」、そして続いて「盗賊」と「魔法使い」だ。魔法使いは呪文を使う職業なので比較対象からはずすとして、最初に行動して敵を倒したりアイテムを使うというイメージ近いのはやはり武闘家や盗賊だろう。しかし、武闘家や盗賊は弓が扱えない。レンジャーは弓のほか、ブーメラン系も装備が可能で飛び道具に特化している職業といってもよい点は一応似ている。

そのほかのステータスとしては器用さが全職業中最高。通常の戦闘等では器用さの恩恵が感じられないため、イマイチ目立たない特性ではあるのだが、盗みをする人にとっては重要なはず。

DQ9では物理重視、魔法重視、バランス型の主に3つのグループに分けることができる。その中でレンジャーはバランス型に位置する。攻撃もそこそこ、呪文やMPもそこそこあり、そつなくこなす。すばやさもそこそこ。


DQ9のレンジャーの呪文は回復呪文系に偏っており、攻撃呪文は扱えない。それでいてそこそこの攻撃となると方向性としてはパラディンとダブりそうに見える。だがあちらは絶望的に低いすばやさと高いHP力守備で、レンジャーのほうがMPが多めでや使える回復呪文も広いことを考えると僧侶から最高クラスの回復呪文と回復系特化スキルをはずしてかわりに多少殴れるようにした感じである。クリアまではベホイムがあれば十分なため僧侶の変わりに使っていくのもよい。

レンジャーの呪文はHP回復以外に、ザオラル(蘇生呪文)やキアリー(解毒)、キアリク(麻痺を解除)、ザメハ(眠りをとく)と幅広い。

そしてなんといっても特筆すべきはLV3で覚えるトラマナである。これはダメージ床のダメージを0に軽減するという今までのシリーズでは高レベルな魔法使いの呪文だったのだが、コレがいきなり使えてしまう。このへんはレンジャーという職業らしさを出すための処置だろう。もっとも魔法使いもLV13で覚える上に、必要とする場面がDQ9ではほとんど存在しないのが痛い。

また、僧侶より低レベルでバーハ(一人を炎や吹雪からダメージ軽減)、フバーハ(PT全員にバーハ)が扱えるのも特徴だ。フバーハの僧侶の習得LVはかなり高く設定されており、通常クリア後に覚えることになるはず。


以上のように僧侶やパラディンと差別化は考えられているのだが、基本的に僧侶の呪文とほぼすべてがかぶることでなかなか厳しいものがある。僧侶が覚えることがない呪文としてトラマナのほかにリレミトというダンジョン脱出呪文があるが、これを覚える職業が異様に多く(ほかには盗賊、旅芸人、魔法使い、賢者)特徴が出し切れていない。

ではスキルを見てみよう。

固有スキル

世界樹の迷宮のレンジャーは速さをコントロールするスキルが大目なのに対して、DQ9のサバイバルスキルにそんなものは存在しない。呪文としてピオリム系(PTのすばやさをあげる)やボミオス系(敵のすばやさを下げる)があるが、これらを覚えるのは残念ながら魔法使いや魔法戦士だ。

パッシブスキルとして器用さ上昇が圧倒的な以外は特に目立たず。

「なだめる」は敵のテンションを下げるのと怒りを静める効果があるが、地味。範囲呪文で一気に敵を倒したりすると複数の敵が魔法使いに攻撃が集中したりするため単体にしか有効ではないなだめるはやや使いにくい。というか雑魚戦だとMP消費をしてなだめるより倒してしまったほうがよい。

「みのがす」は弱い敵を戦闘から離脱させる効果があるが、弱い敵ならばそのまま殴り倒すだけ。必要性は微妙。

「ステルス」は戦闘時は狙われにくくなる効果、移動時は敵が自分を見つけられない効果(聖水と同じか)で使いやすい。

「守りの霧」は物理攻撃を1回だけ完全無効化にする。消費が多い上に自分だけなので後半複数回行動や範囲呪文やブレスが当たり前になるボス戦では意外と使いにくい。

「オオカミアタック」は武器に左右されず2回攻撃と非常に強いもののMP消費が多い。レンジャーはまだMPが多めだからいいとしてもちょっとつらい。

レンジャーの武器スキル

DQ9のレンジャーが装備可能な武器とスキルは「素手」「斧」「弓」「ブーメラン」である。サバイバルに長けたイメージがあってよいのだが、素手の変わりに短剣があってもよかった気がする。

世界樹のレンジャーの攻撃スキルはメインとしては以下の3つある。

  • 単体火力の「パワーショット」
  • ランダム対象のかわりに強力な「ダブルショット
  • 発動が2ターン後と遅い代わりに威力がとんでもない「サジタリウスの矢」

DQ9では発動が遅いスキルというものは存在しないが、ランダム対象のかわりに威力がでかいというスキルがいくつかある。この中でレンジャーが覚えることができるのは以下の3つ。

  • 弓の「さみだれうち」50%の攻撃を4回 消費MP4
  • 素手の「爆裂拳」50%の攻撃を4回 消費MP0
  • ブーメランの「バーニングバード」炎属性で30%の攻撃を7回 消費MP4

消費MPはどれも威力の割に少なく、爆裂拳にいたっては0である。単体出現以外にも、通常攻撃で一撃で倒せるなら2体出現時にも雑魚戦で使っていけるのは大きい。レンジャー自体MP大目なので気兼ねなく使える。

単体な単体火力としては

  • 素手の「正拳突き」
  • 斧の「蒼天魔斬」

の2つ。

そのほかには範囲攻撃や攻撃と同時に相手を弱らせるスキルがいくつもある。たとえば斧スキルの「かぶと割り」は攻撃後一定の確率でルカニ(守備力を下げる)発動(確実に発動しつつ単純にレジストされてるだけなのかも)というとんでもない性能だったりする。これがMP消費0というのは非常に強い。


ちなみにDQ9は全ての武器に特定の種族に対して150%ダメージを与える消費MP0スキルが存在する。これは武器の特徴を出すためだろう。ちなみにレンジャーの装備できる種族特効スキルは以下の4つ。

  • 素手の「かまいたち」エレメント系
  • 弓の「バードシュート」鳥系
  • ブーメランの「スライムブロウ」スライム系
  • 斧の「大木斬」植物系

かまいたちが種族特効の中で唯一グループ攻撃でMP消費もないので、実は種族に関係なく普通に使いやすいというオチがついたりする。

見てわかるように素手は武器の攻撃力が伸びてくる後半は相対的に弱くなるのでスキルが強めに設定されていると思う。力が高く、MPが少ないバトルマスターや武闘家は相性がよいが、力が普通のレンジャーでは使いこなしが難しい。ただし、素手の特徴として、どの職業についても武器をはずせば素手スキルが有効になるというもの。また、スキルポイントを意識的に高めていけばまだ強い武器が登場していない中盤では圧倒的強さを誇ることが可能だ。


世界樹の迷宮1のバランスで言えばメディックをベースに、弓を装備可能、攻撃力をバード並みにしてかわりにメディックの回復スキルからエリア系とキュアIIIをぬいた感じというのが正しいか。あとは医術防御から物理にたいする効果をなくした感じで。パラディンと違い回復マスタリーや蘇生呪文があるということで、そこそこの回復もこなせるがどっちつかずで地味、と。


決して弱いわけではないが、「II」のレンジャー以上に地味な職業である…。