職業システムを考える

WIZのように6人パーティー + Ultima3のように種族+職業たくさんでいろいろと考えていたが、これってやっぱりバランス調整が難しいこと(難易度ではなく手間の問題。調整で開発期間が延びやすい)と、大半の職業が複合系という味の無いもの(この辺もUltima3ベースで計算してたんでなれたものなので調整はしやすいけど)になってしまう。


それならばいっそのこと3/4人PTにして個性的な職業を6種程度、種族なしに絞ったほうがよいのではないか。D&Dだって種族と職業を掛け合わせて作るものではなかったし、これでいいだろう。職業の数も少なかったし。ただし、上位職業への転職はあった。アライメントに影響されていたが、このへんFF1が非常に近い。ダメージのばらつきとかいろんなところを見てもDQとくらべてFFはTRPGを意識していたに違いない。


それにWIZ自体、種族のシステムを生かしきれていたとは思えない。ゲーム開始時に「やや」なりやすい職業が変わるといった程度である。Ultimaの場合種族による最大パラメータ縛りが結構でかいので差別化が出来そうに見えるが、実はそのためにこの職業はこの種族がベスト、とほぼきまってしまうという欠点があり、一部の職業を除いて組み合わせを楽しむということは無い。物理メインなので魔法職であっても力が強い種族を選ぶのがコツとかね。


3/4人PTだと物理攻撃が出来るキャラが少なくて結果、「大量の敵にはやっぱり魔法だな」となりやすくて魔法万歳となってよいかもしれない。WIZは6人PTでも3人しか物理攻撃が出来なかったのでバランスは取れていたかも。ただし、続編などで弓等が登場してからは絶妙な多少バランス調整がだめになってしまった可能性も。物理職を万能にしてはいけない。


ほかにも射程により攻撃が出来ないというのはFF2が代表か。後ろにいると弓しか攻撃は出来ない。弓は魔法と相性が非常に悪い武器なので後ろから弓と魔法でウハウハとならないのもポイント。マリアの初期装備は弓であるが、魔法メインにしたいのならば杖とナイフを両手に装備するのがポイントとなる。素早さもこちらのほうが上がるし。杖や弓は攻撃力は低めではあるが、命中率が高い。FF2では力が命中率に影響し、武器の中で命中率が一番低い弓は力が低いキャラはまともに扱えないからだ。また、弓は武器の受け流し設定(武器でも回避率が上がる)がされていないので前に出た場合、回避率に不安が残る。逆に、敵キャラは先頭4キャラしか物理攻撃はターゲットに出来ないのでここまでが前衛ということにもなっている。

力といえばダメージに影響するだけのパラメータという設定が多いが、物理攻撃全般の性能という意味でFF2の力はかなり効果が大きかった。

射程をさらに進めたのがロマンシングサガだ。敵と味方の距離により、近接と少し離れたところまで当たる中距離の槍、どこでもあたる遠距離の弓、と槍の差別化に成功した。やりは前衛にいる場合後ろにいる敵に攻撃が当たり、後ろにいる場合的の前衛に攻撃が当たる。

ほかに敵の配置のみに影響されるものとしてはディープダンジョン3というものがある。敵キャラの配置をみるときのグラフィックがひどいといわれたが、なんか独特の味がある作品だった。単純ながらも戦闘の曲はインパクトあるし。



ちなみに4人PT+6つの職業というのはずばりファイナルファンタジー初代だ。FF1の職業バランスは結構すばらしく、シーフ以外ははずれが無い。序盤、中盤、後半と活躍の仕方が変わってきたりする。(MSX2版ではさらにはずれ職業にモンクを追加しておけばよい。)

いなみにFF1の職業を分析してみると。
相対的にしています。

物理攻撃

職業 前半 中盤 後半
戦士
モンク
シーフ
赤魔術師
白魔術師 × × ×
黒魔術師 × × ×

耐久力

職業 前半 中盤 後半
戦士
モンク
シーフ
赤魔術師
白魔術師 × ×
黒魔術師 × ×

黒魔法

職業 前半 中盤 後半
戦士 × × ×
モンク × × ×
シーフ × ×
赤魔術師
白魔術師 × × ×
黒魔術師

白魔法

職業 前半 中盤 後半
戦士 × ×
モンク × × ×
シーフ × × ×
赤魔術師
白魔術師
黒魔術師 × × ×

逃走

職業 前半 中盤 後半
戦士
モンク
シーフ
赤魔術師
白魔術師
黒魔術師


やっぱりかわいそうな職業がひとつだけ確実にある…

実際は黒魔法が後半になるにしたがって立場がなくなっていくので(物理攻撃が頼れるようになってくる)黒魔術師も実はどちらかといえばはずれ。フレアなど最高レベルの魔法以外は赤も使える(ガ系全部使える)ので物理も強く白魔法も使える赤でよいと思う。そういやシーフがパワーアップして使える魔法が低レベル黒魔法だってのもおわってるなぁ。

実はマニュアルを見ると本当はシーフに盗賊スキルを持たせる予定だったっぽいことがわかる。もしシーフが宝箱を開けたりわなを解除したり鍵を開けるスキルがあるとしたら価値は違っていたのかもね。

白魔法は回復がメインではあるが、白魔術師のヒーラはものすごく役に立つ。なぜか戦闘中に使うとラヒーラくらい回復するというバグがあるのでこれを利用すると中盤からかなり安定する。ただし、FC版限定。

赤のHPが白以下になることもめずらしくなく、モンクのHPも実はかなり少ない。体力のパラメータはあんまり機能していないようだ。戦士は安定してぐんぐん伸びる。防御力もあり戦士はあの序盤から終盤までの耐久力はあらゆるRPGの中でも伝説級だろう。


なんか気がついたらFF1講座みたいになっちまった…。


戦士、盗賊、魔術師、僧侶という基本4職業は入れる予定だが、後2種をどういう色物にするかが難しい。D&Dではこの4職業+種族3種(エルフ、ドワーフ、ハーフリング(ホビットは版権がが))だった。FF1ではモンクと赤というどちらもかなり使える、特徴のあるキャラだったのがよかった。WIZもUltima 3と同様ただの合成職業ですし。ビショップが鑑定できるけどそれくらいか。

DQ3は商人と遊び人だけど、どちらも成功した職業とはいえなかったよね。賢者は完全に上級職業扱いだし。

ハイドライド3は戦士、強盗、僧侶、修道士の4つ。変異として怪物はあるが、元の職業をベースにHPが大幅に増える。ただし、ラスボスに大ダメージを食らうという特徴がある。戦士は攻撃力と防御力が高く、腕力や肉体面はそこそこ。魔法もまぁ使えなくも無い。僧侶は腕力が低いもののHPは決して低いというわけではなかったし、圧倒的な魔力が売り。強盗は器用さと腕力やHPといった肉体的な面が売り。魅力が低く、魔法は絶望的。修道士はあらゆるパラメータが高いが、HPだけ異様に低い。怪物と組み合わせる人が多かった。クリアが楽な職業は順に戦士>僧侶>修道士>強盗。序盤は僧侶は腕力が無くて装備制限がきついが、後半MPが高いのが楽。まぁ序盤は経験値多く入るしなんとかなる。強盗はぶっちぎりで難易度が高い。



バーズテイルはバードがすごかったな。

幻無ノ塔ト剣ノ掟は基本職業4種だけだった。後は複合のみ。

世界樹の迷宮は初期で選べるのはソードマン、パラディン、ダークハンター、アルケミスト、メディック、レンジャー、バード。数は多くも無く、少なくも無く。それでいてスキルがかぶることがあんまり無いという優れもの。スキルを自由に割り振るというシステムはさほど珍しくは無いのだが、最適解を自分なりに探し出すという楽しみが光る。


こうしていろいろと考えてみると日本のCRPGは意外と職業で差別化してる作品が少ないのに驚く。ストーリーとのからみだろうが、職業とキャラクターを固定化させているのが多い。ファンタシースターとかFF4とかDQ2とか。新しくなればどんどんその割合は増えていく。

DQ9DQとしては久々に職業を楽しむゲームでよかったなぁ。


最近は物理職であってもスキルを持つものが多い。DQ3くらいの時代までは戦士系は魔法が一切使えなく、スキルも無し、通常攻撃のみが普通だった。FF3ではコマンドメニュー自体が職業で変わるという感じではあったが、これはスキルというより職業らしさを出すため程度に抑えられている。

DQではスキルが導入された6から。ただし、DQ6のスキルはMP消費0で使い放題だったために、呪文を使うのが馬鹿らしくなるというシリーズ最大のシステムバランスのひどさだった。DQ9ではちゃんと消費MPがあるのだが、DQ9しか知らない人はもしこれらのスキルがMP消費0だったら、と想像してほしい。そんな状態がDQ6だった。

戦士系はスキルはやはりなくしたほうがいいかもしれない。あっても2,3程度で多用できないように。あまりに範囲とか便利だと最近だと属性に影響されない使いやすい呪文のようになってしまっている。しかも属性つけるのもかなりあって魔法との差別化が出来ない。これでは魔法使いがRPGではどんどん影が薄くなるのは仕方が無いかなと。世界樹の迷宮IIのブシドーなんてまさにそれ。しかも攻撃力もダントツでソードマンの立場は無い。

スキルが当たり前になってから戦士系のMPがすごい重要になっちゃって、DQ3くらいまでの僧侶系以外のMPはわりと適当に管理していても戦士系の殴りだけで安定して進めることが出来るという状況からかなり遠ざかってしまったと思う。スキルがまったく無いのがよいとも思えないけど、あのMPがあろうがなかろうが安定した一定の攻撃力をもつというキャラクターの特徴がなくなるのも悲しい。それこそMPが切れると終わりという魔法系との最大の差別化だと思うのだが。

つまり職業から瞬発力と持久力という特徴をなくしてしまったとも。