攻撃回数を考える

LVがあがるなどで攻撃回数が増えていくRPGは結構ある。そもそもベースとなっている、Wizardry、さらにさかのぼればD&Dがそういうシステムであるからだ。

一方で攻撃回数を1回に固定したものとしてUltimaドラクエがある。ドラクエで複数回攻撃というのは特殊な状況であり、DQ2で登場した隼の剣装備程度だろうか。攻撃力はほぼないという設定だが、力が高ければ効率はよくなっていく。その後もこの系統の武器とスキル以外で2回攻撃するものは少なく、むしろグループ攻撃等の範囲物理攻撃のほうが珍しくない。結果、単体攻撃をメインとした物理というシステムは崩壊していくが、それはここでは省略する。まぁ基本的に1回である。


というわけでまた作品で気になったのを列挙してみる。あくまでも通常の攻撃のみで。

作品名 攻撃回数
WIZ LVが上がってふえる。武器による最低保障あり。実はコンシューマの計算式はシリーズで統一されていないので注意
ULTIMA 3 常に1回
DQシリーズ 隼系で2回、それ以外常に1回。
FF1 LV等や武器によって増える命中率によって攻撃回数が増える。わりとWIZに近い系。モンクの素手は回数2倍
FF2 熟練度が攻撃回数。リメイクでは両手に武器持つことによって回数が増えたりするので別物
FF3 LVと素早さによって攻撃回数が変わる。素手や両手に武器持ちは2倍。攻撃回数というパラメータ表記がちゃんとされるのは実は珍しい
FF4 力と素早さによって変わる。DS版は別物なのでなかったことに
世界樹の迷宮 常に1回
邪聖剣ネクロマンサー 攻撃するキャラと攻撃されるキャラとの素早さの差によって連続攻撃(他のキャラが狙われる)がでる。つまり遅くて力や体力のある戦士キャラがまったく壁の役割を果たさない…
幻霧ノ塔ト剣ノ掟 FC版IIIやGB版外伝のようにキャラのLV+武器での回数。職業ごとに回数UPに必要LVが違うのはまさに外伝と同じ。

D&Dを原点とする成長によって攻撃回数が増えるという作品がWIZ系やそれを意識した作品以外だと初期のFFくらいしかない感じがした。FF13は知らないけど。


攻撃回数を導入すると実はバランスをとるのが難しい。攻撃回数1回と2回では別次元の強さを誇るのに対して攻撃回数9回と10回では上昇が体感しにくいためだ。

ただし、攻撃回数の影響が大きいWIZ系はTRPGのダイスによるランダム性をとりいれているためにダメージの範囲が非常に大きいため、確殺を考慮すると非常に有効である。また、このダメージ安定に貢献するSTRのボーナスが純粋にきいてくるはず。

だからこそダメージは大きいが不安定なムラマサとダメージは低いが攻撃回数が1ランク高く安定するカシナートの差が面白い。LVさえ上がれば回数は関係ないし、最低ダメージも低すぎるわけではないので(最大値がずば抜けて高いだけと考えることが出来る)ムラマサはやはり強いのではあるが。(最低ダメージが出たところで最高レベルのMPを消費してのティルトウェイトで10ダメージが出たときの衝撃にくらべればたいしたことは無い。ティルトウェイトの次に強いマダルトで1桁ダメージとか。FC版や外伝では威力の底上げがあるので極端な低ダメージはまず出ないはず)


で、これをどう実装するか。攻撃回数はバランス調整は難しいものの、強くなった感は出るんですよねー。減算防御がある場合10回攻撃したけど、10ダメージだったとか、連続攻撃による回数で底上げする素早いキャラとか、攻撃回数は少ないけど1撃あたりが大きいので減算防御効果に相対的に強いキャラとかイメージ的なものも作れるし。

DS版FF3のナイトは1撃は強いものの遅くて攻撃回数が少ないキャラでしたが、シーフは回数で稼ぐタイプでしたよね。そういう差別化は面白いんじゃないかなーと。(FC版での魔界幻士は素早い魔法系キャラという特徴があったのにそれが消えたのは納得いかないが)


WIZの場合、前衛に出る戦士系しか事実上攻撃が出来なくて(初プレイ時はシーフが前衛に出ていた。おかげでつらかったなぁ)また、耐久力も段違いということで戦士系は攻撃そのものがさほどできなくても意味があるんでこれを基準に考えるとむずかしい。物理がいけるぞ、と思ったのは2回攻撃できるようになってきてからかな。このころはマハリトとかが猛威をふるってるのと命中に苦しむことが多いんで呪文抵抗が高いキャラが出るまで頼れるというところまではいかないけど。ACを利用して命中判定を攻撃回数だけ繰り返すというのはとてもシンプルではあるが。

FF1の場合も戦士のうたれ強さが圧倒的で壁としての意味が強い。ミスリルソードを序盤で手に入れるとすごいことになるけど。モンクはまだ辛抱のとき。攻撃回数が右手と左手ということで2ずつ増えていくので上昇具合はすごいけれども。WIZ並みとまではいかないがかなりダメージがばらばらで低いときと高いときで数倍は珍しくない。おかげで攻撃回数が増える=期待値が上がる、といった程度で一撃で倒せるとは限らないことも中盤までは多い。

FF2は普通にプレイすると終盤に向けて攻撃回数は9回程度だろう。クリア時で1つの武器が12回くらい。ドラゴン系などの固いやつはは攻撃回数より攻撃力のほうが足りないことが多いのでバーサクや魔法のほうが無難。カーズってきいたかな?攻撃回数が4回程度くらいまでの序盤では魔法はよほど固いやつとか弱点が明らかにわかるやつ以外では立場が無いくらい物理が強い。なにより序盤はMPとアスピルないし。ダメージのばらつきは大幅に減っているために攻撃回数はイコールダメージ増強という感じが強い。攻撃回数、命中率のほか受け側は回避回数と回避率も設定されていて、単純な計算にはなっていない。追加効果の判定は攻撃回数が多いほうが有利だったかな。ちなみに敵の追加効果はそのうち特殊抵抗力がつくので回避率と回避回数が高くないとダメという説明は嘘なんで安心するように。抵抗できない吸血攻撃だけは正しいが。


などなど、特殊効果等を考えると単純にダメージだけで語れないのが難しいところ。バランス崩壊のきっかけになる。

例によって今回もまったくまとまらないお話でした。どーしよ。


ダイスを振る乱数の大きい系のシステムの場合攻撃安定度という意味であったほうがいい、そうでなければ無くてもかまわないって感じかなー。